Q&A

よくあるご質問 Q&A

口を開けてくれない方の場合ケアはどうすればよいか?

なぜ、開けてくれないのか?」
私たちは原因を探ることから始めます。
他人に対して口を開けること、口の中を見せることは、相手を信頼しないとできることではありません。痛いから開けたくないらしいと思ったら、「どこが痛いのか、教えて下さい。」と尋ねましょう。歯磨きを理解できない方に対しては、一緒に洗面所へ行き、鏡の前で一緒に歯磨きを
しましょう。緊張が入って、食いしばってしまう場合には、緊張を解くために、口から離れたところをタッチし、徐々にお顔のマッサージへと近づいていき、リラックスしていただく。
などなど、開けてくれない理由を探り、信頼関係を築くことに心掛け、決して無理矢理口を開けることがないようにしています。

経管栄養の方の口腔ケアで何に気を付けますか?

 摂食・嚥下に障害があるため、経口摂取困難になられた方だと思われます。
口から食べておられないということは、口の動きが減り、唾液も出にくく、乾燥もしやすくなり、口の中が汚れやすくなるので、口腔ケアがより充分に必要な方です。
バイタルサインをチェックし、ケアによって唾液誤嚥のリスクがないようにギャッジアップし、顔を横向きにする(麻痺がある場合は健側を下)など細心の注意が必要です。
保湿、マッサージ、ストレッチ、清掃、保清とご本人の様子を観ながら、呼吸のリズムに合わせて進めます。
継続したケアによって、きれいな唾液が出て、唾液嚥下されるのを確認できた時は、安全な嚥下を促すケアに進み、口腔機能を評価します。ご本人やご家族が希望されるなら、形態に配慮したおやつなどを食べていただける試行へとつながることもあります。多職種との連携に重点を置きながらケアをすすめます。

口内炎ができやすい場合の口腔ケア

 口内炎ができやすいのは、免疫力低下によるものと考えられています。体調不良が原因である場合も多く、口内炎の痛みもあると思われますので、ご本人の様子を確認しながら、より丁寧な清掃に心掛ける必要があります。
また、いつも同じ場所に出来るようなら、義歯や歯牙、または新しく入った補綴物などが当たっていることも考えられますので、歯科医師と密接に連携したチェックを心掛けます。

口臭の強い場合

 鼻・咽頭を含む上部消化管に炎症症状がなく、口の中に磨き残しがある場合は、歯ぐきの中に食べかすや菌が多く残り、歯周病になっていると思われます。歯ぐきのマッサージをかねて、細かくブラッシングして、口腔内の清潔を保つことが必要です。
また、処方されているお薬が影響して唾液減少を引き起こし、口腔内が乾燥しやすくなり、自浄作用が減ることによって口臭も強くなる場合がよくあります。確認のうえ医療連携が重要です。

人工呼吸器を使用されている方への口腔ケア

 人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防をすることが重要です。
感染予防に配慮する口腔ケアが必要ですが、会話のできないご本人に苦痛を与えないよう、バイタルサインをチェックしながら、表情を読み取りながらのケアが必要です。

口腔ケアで使う薬品

 基本的には、水(水道水が一番安全)だけです。
乾燥がひどく、汚れがこびりついている場合は、保湿剤を塗布して柔らかくし、粘膜を傷つけないように汚れを除去します。その後、水でケアします。
歯肉炎などにより、発赤や軽い出血があった部位などは、ケア後に消毒液を使用することがあります(常時使用すると、口腔内に必要な常在菌まで消毒してしまうので)。
歯磨剤も最近は種類が多く、用途に合わせた製品が作られていますので、使用することがあります。

舌苔の効果的な取り方

 なぜ舌苔がついているのか、原因の追求が重要です。
清掃不良によるものなのでしょうか?
口腔乾燥によるものならば、保湿剤を塗布し、少し時間をおいてから清掃します。
舌の動きが悪いためについたのであれば、動かすにはどうしたらよいかと、まずは舌苔が付かないように考えます。
そして、ついてしまった舌苔も、強い力でこすってしまうと、傷ついた味蕾が、より舌苔をつきやすい状態にしてしまうので、注意しましょう。
柔らかい歯ブラシやスポンジブラシで、優しく奥から手前へ動かして除去する程度で十分です。

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